【速攻!1クリックの時短術】パワーポイント図形の色を「最短」で塗るテクニック
色選びの時間を排除できたら、次は図形やフォントなど「色塗りの時短化」だ。
「図形に色を塗る」作業は、パワーポイントのスライド作成の中でも、かなり時間のかかる作業だ。であれば、色塗りの時短化ができれば、スライド作成全体の生産性がアップするのは間違いない。
この記事では、「図形の塗りつぶし」を、最短「1クリック」で完了させるテクニックを紹介する。
色塗りを時短化するポイント
メニューを開かない
「あの機能、メニューのどの辺にあったっけ?・・・」
パワーポイントに限らず、MS-Offieを使っていると、こういう感覚になったことはないだろうか?
使いたい機能がすぐに見つからないと、それを探す時間がかかってしまう。間違えて別の機能を選んでしまったら、「やり直し」になってしまう。要するに、「メニューの中から探す」「メニューを開く」という行為を繰り返していると、生産性は上がらない。
逆に言えば、メニューを開かないようにすれば生産性は上がる。
「メニューを開かないで、どうやって色を選んだり、塗ったりするんだよ!?」
と思ったそこの人、これから紹介する「オリジナルパレット」と「スポイト」を、ぜひ試してほしい。
使う色をパレットに出しておく
たとえばリアルで絵を描く時、色を塗るまでの動作は、次のような順序をたどる。
- 絵の具箱から絵の具を取り出す
- パレットに絵の具を絞り出す
- パレットから、絵筆で絵の具を掬う
- 絵筆で色を塗る
塗る色が決まっているのであれば、1~2の動作は毎回行う必要はない。絵の具を出したパレットを用意しておけば、3の「絵の具を掬う」以降の動作で済む。
パワーポイントも同じだ。「パレット」に絵の具を出しておき、パレットから絵筆=スポイトで色を塗るするようにすれば、驚くほど手間を無くせる。もちろん、メニューを開く手間もない。
やり方は以下の通り。
オリジナルパレットの作り方
スライドマスター上にパレットを作る
パワーポイントのメニュー「表示」から「スライドマスター」を選ぶ。
スライドマスター一覧の、一番上のスライドを選択して表示する。
表示中のスライドのサイズを小さくして、スライド左右の余白が十分空くようにする。
メニュー「挿入」から「表」を選び、縦は数行×横は1列 の表を挿入する(下の例は縦8行を選択)。
スライドマスターにはスライドが数ページ表示されているが、表を挿入するのは先頭のページだけである。先頭のページに表を挿入しておくと、他のページにも自動的に表が反映される。
挿入された表の、縦の長さをスライドと同じくらいの高さに、横幅を3cm程度に変更する。それぞれの長さは厳密でなくてOK。
表をスライドの左の外側に移動する。表とスライドの間は少し空ける。
メニュー「テーブルデザイン」の「罫線」より、「格子」を選択して表に枠線を付ける(格子はセルの境い目を見易くするためなので、この操作はやらなくてもよい)。
そのまま「テーブルデザイン」から「塗りつぶし」を選び、「塗りつぶしなし」を選んで表全体(全セル)の色を消去する。
表の中の任意のセル(箱)を一つ選び、メインカラーとなる色で塗りつぶす。
別のセルを選び、アクセントカラーとなる色で塗りつぶす。
他の空いているセルに、グレーや黒、白など、使用する色でそれぞれ塗りつぶしていく。
メニューから「マスター表示を閉じる」でスライドマスターを閉じて完成。
スライドの左脇にある色のついた表が、オリジナルパレットだ。
このオリジナルパレットはスライドマスターの先頭ページに設置しているため、どのページにも表示される。
また、下図のように、セルの中に色番号を記入しておくと、WordPressなど他のソフトウェアで同じ色を使いたいとき、色番号を参照して色を指定できるので便利である。
色番号を知りたい場合は、色のあるセルを選択した状態でメニュー「テーブルデザイン」の「塗りつぶし」より「塗りつぶしの色」を選択し、「色の設定」から「ユーザー設定」タブを選択、「Hex」を参照することで確認できる。
この例では、オリジナルパレットはスライドの左脇に配置したが、パレットの位置は右でも上でも下でも、好みの場所に置いて構わない。
ただし、いずれの位置であっても、パレットとスライドの間は少し空けておく。この理由は、パレットがスライドとくっついていると、スライドショーの時にパレットが映り込んでしまうのを防ぐためである。
オリジナルパレットを使って色を塗る
オリジナルパレット上の色を取り出し、図形や表の色を塗りつぶすには、「スポイト」機能を使う。
スポイトはメニュー「図形の書式」などのメニューから選ぶことができるが、毎回メニューを開く手間を省きたい。
そこで、「クイックアクセスツールバー」にスポイトを表示させておく。
クイックアクセスツールバーにスポイトを追加する手順は以下。
スポイトをクイックアクセスツールバーに追加
パワーポイントのメニュー「ファイル」より「オプション」を呼出し、「クイックアクセスツールバー」を選択する。
「コマンドの選択」より、「[描画ツール]|[図形の書式]タブ」を選択する。
コマンド一覧の中から「スポイト [スポイトによる塗りつぶし]」を選択し、「追加」ボタンを押す。
右側に「スポイト[スポイトによる塗りつぶし]」が追加されたことを確認し、「OK」ボタンを押す。
タイトルバーの右側、クイックアクセスツールバーにスポイトのアイコン が追加される。
スポイトを使い速攻で色を塗る
以下はオリジナルパレットから、スポイトを使って色を塗る手順である。
色を塗りたい図形を選択する。
クイックアクセスツールバーにあるスポイト をクリックする。
マウスカーソルがスポイトに変わるので、オリジナルパレット上にマウスを移動し、塗りたい色の上でクリックする。
図形の色が塗りつぶされた。
1クリックだから速攻・正確
オリジナルパレット+スポイトを使えば、「図形の書式」などのメニューを一切開くことなく、スポイトを1クリックするだけで、塗りたい色で速攻で色を塗ることができる。
筆者が色々試した中では、このオリジナルパレット+スポイトが、最も手間がからずない。しかも、直感的に色を塗れるのでミスが少ない。
前回記事の「パワーポイントで使う色は2色で十分」のテクニックと合わせれば、「色」に関するパワーポイントの生産性を確実にアップすることができるはず。ぜひお試しあれ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。